ユニシス
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種類 | 公開会社 (NYSE: UIS) |
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本社所在地 | ペンシルベニア州 Blue Bell |
設立 | 1886年、American Arithmometer Companyとして創業 1986年、ユニシスとなる |
業種 | コンピュータサービス |
事業内容 | コンピュータサービス、ソリューション |
代表者 | Joseph W. McGrath(CEO) Ric Duques(会長) |
売上高 | 57億5870万USドル(2005年) |
従業員数 | ~31,000 |
外部リンク | www.unisys.com |
ユニシス (Unisys Corporation, NYSE:UIS) は、アメリカのITサービスとソリューションを提供する国際的企業。またユニシスはシステム機器などの設計/製造も行っている。
日本への販売は関連会社である日本ユニシスが実施していたが、2006年に持株の全てを売却。資本関係は存在しない。ただし業務提携は継続されている。
目次 |
歴史
ユニシスは1986年、汎用コンピュータメーカーのスペリー社とバロース社の合併によって設立された。名称は「UNited Information SYStem」からの造語で、社内公募で決定された。この合併はコンピュータ業界では最大の合併と言われ、ユニシスは世界第二位のコンピュータ企業となった。合併当時、120,000人もの従業員を抱えていた。
合併後、オープン化の波にさらされ、企業構造の大改革を迫られた。結果としてメインフレーム企業からの脱却を図り、UNIXやWindows NTベースのコンピュータ市場へと参入した。その後、ヒューレット・パッカードやIBMのように、徐々にハードウェアからサービス/コンサルティングへと企業としての主軸を移していった。1997年、売り上げに占めるサービスの割合は 65% となっていたが、2006年現在は 83% にまで高まっている。
ユニシスの歴史の中で重要な出来事として以下のことが挙げられる。
- 1986年 2200シリーズメインフレームの開発。CMOSを使用したメインフレーム 2200/500も含まれる。
- 1989年 最初のデスクトップ型メインフレーム Micro A シリーズの開発。
- 2000年 UNISYS ES7000 サーバを開発
- 2004年 3次元ビジュアルエンタープライズ手法(3DVE)を開発
1988年、コンバージェント・テクノロジー社を獲得し、その革新的なオペレーティングシステム CTOS を手に入れた。
製品とサービス
同社はコンサルティング、一時的な契約業務、ITサービスのアウトソーシング請負などを行っている。サービスには、ハードウェアシステムとソフトウェアシステムの構築、ホスティングやデータ管理、業務プロセスの計画立案、セキュリティの確保などが含まれる。
2000年、ユニシスはミッドレンジ~ハイエンドサーバ Unisys ES7000 ファミリを開発した。この製品はインテルのXeonおよびItaniumを使い、OSとして Microsoft Windows Server 2003、ノベルまたはレッドハットのLinuxが動作する。
ユニシスはローエンドとメインフレームの"ClearPath"というシリーズも持っている。ClearPathはメインフレームのソフトウェアが動作するだけでなく、同時にJavaプラットフォームとしても、JBossやJava EEアプリケーションサーバとしても動作する。ClearPathには、(スペリー/UNIVAC系の)2200ベースシステムと(バロース系の)Aシリーズベースシステムがある。
LZWとGIFに関する議論
ユニシスはLZWアルゴリズムの特許で有名である。このアルゴリズムはGIFファイル形式で使われている。
1994年12月、ユニシスはCompuServeと共に、「ユニシスが所有するLZW圧縮アルゴリズムの特許はGIFファイル形式にも適用される。GIFファイルを生成する機能を持つ全ての商用プログラムはユニシスに対してライセンス料を支払わなければならない」との声明を発表した。この当時、GIFは広く使用されていたため、そのようなソフトを作っていた企業はライセンス料を支払う以外にほとんど道は無かった。
この問題によりPNGフォーマットが開発され、PNGはWeb上でJPEG、GIFに次ぎ三番目に一般的な画像ファイル形式となった。
1999年8月、ユニシスはフリーソフトウェア向けの無料のLZWライセンスを廃止した。これを受けて、League for Programming Freedom(プログラミングの自由連盟)という団体は "Burn All GIFs"(全てのGIFを焼き捨てろ)キャンペーンを展開して、GIF以外への移行を呼びかけた。
一方、日本のインターネットユーザーの間でも突然のユニシスの発表に騒然となった。日本で普及している独特のインターネット電子掲示板の形態として、所謂「お絵かき掲示板」が存在するが、このCGIスクリプトは、初期においてGIFを使用していた。これらのCGIスクリプトは大半がフリーソフトとして配布されていたが、特許抵触を恐れて配布を中止するケースが続出した。最終的にこれらは画像フォーマットをPNGに置き換えることで復活したが、これにより日本のインターネット利用者にGIF排斥の傾向とユニシスへの強い反感が芽生えた。
米国内では2003年6月20日に特許が失効し、日本国内でも2004年6月20日に特許が失効した。
関連項目
外部リンク
関連会社