国立健康・栄養研究所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国立健康・栄養研究所(こくりつけんこう・えいようけんきゅうじょ、National Institute of Health and Nutrition)とは、栄養と健康に関する調査研究を行っている日本の研究機関である。2001年より独立行政法人となった。
1919年(大正8年)に、内務省の栄養研究所として設立される。前身は、1914年(大正3年)に佐伯矩によって設立された、世界初の栄養学研究機関である営養研究所である。(当時は栄養を営養と表記することが多かった。)
目次 |
概要
- 目的 国民の健康の保持及び増進に関する調査及び研究並びに国民の栄養その他国民の食生活に関する調査及び研究等を行うことにより、公衆衛生の向上及び増進を図ること(法第3条)。
- 所在地 東京都新宿区戸山1-23-1 (国立感染症研究所と同建物)
沿革
- 1914年(大正3年) 佐伯矩が東京芝区白金三光町に私立の栄養研究所を設立する。世界初の栄養学研究機関であった。
- 1916年(大正5年) 東京芝金杉川口町に移転する。
- 1919年(大正8年) 矩が国立栄養研究所の設立を強調し衆議院に参考資料を提出する。
- 1920年(大正9年) 内務省栄養研究所が開設され、矩が初代所長となる。
- 1921年(大正10年) 小石川駕籠町に新築された新庁舎に移転する。
- 1938年(昭和13年) 厚生省が新設され、栄養研究所の管轄が厚生省に移る。
- 1939年(昭和14年) 栄養研究所は厚生科学研究所国民栄養部となり、矩は退官する。
- 1947年(昭和22年) 国立栄養研究所の管制が公布され、柳金太郎が初代の所長となる。庁舎は、新宿区戸山に移転し現在まで至る。以前は陸軍軍医学校があった場所である。
- 2001年(平成13年)4月 独立行政法人となる。
健康食品のデータベース
2004年の「健康食品に係る制度のあり方に関する検討会」で、食品の機能について信頼できる正しい情報を提供し、また食品の機能の表示の信頼性が高まることによって、国民の健康づくりに役立つことを期待するという方向性が示された[1]。
国立健康・栄養研究所では、「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会における、健康食品に関するデータベースを作り国民に広く普及させるという意見に基づいて、消費者の立場に立って科学的な根拠のある情報の公開がなされている[2]。
厚生労働科学研究費補助金で食品安全確保研究事業として、食品や食品成分や健康食品の安全性・有効性などに関するデータベースをウェブサイトで公開している[3]。
2006年、市場開放問題苦情処理体制 (OTO) で、「消費者にとってより判り易いサプリメントに係る情報提供の推進」として国立健康・栄養研究所のデータベースの紙媒体等への情報提供手段を整備することが決定された[4]。
国立健康・栄養研究所出身の人物
- 古旗照美 - しょくスポーツ代表取締役
参考図書
- 佐伯芳子『栄養学者 佐伯矩伝』玄同社 1986年 ISBN 978-4-905935-19-3
脚注
- ^ 「健康食品」に係る今後の制度のあり方について(提言)(平成16年6月9日)厚生労働省医薬食品局食品安全部 (厚生労働省)
- ^ サイト運営開始のご挨拶 独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長 田中平三 (国立健康・栄養研究所)
- ^ 健康食品の安全性及び有効性等に関するデータベース(平成16年4月12日検討会資料) (厚生労働省)
- ^ 市場開放問題についての対応(平成18年3月23日) (市場開放問題苦情処理体制)
関連項目
- 日本の独立行政法人一覧
- 独立行政法人通則法
- 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律
- 栄養情報担当者(NR:Nutrition Representative)
- 国立感染症研究所(同じ厚生労働省戸山合同研究庁舎にある)
外部リンク
- 国立健康・栄養研究所
- 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
|