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| この項目では、KOFシリーズに登場する男性キャラクターについて説明しています。 |
K(ケイ・ダッシュ)は、SNK(SNKプレイモア)の対戦型格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズに登場する架空の人物。担当声優は松田佑貴。
キャラクター設定
『ザ・キング・オブ・ファイターズ』の「ネスツ編('99~2001)」での主人公。秘密組織「ネスツ」の改造手術により、草薙京の格闘能力を移植されている。そのため、炎を操る能力を持つが、右腕からしか炎が出ない。おまけに炎の自己制御ができないなど能力はかなり不安定で、一度暴走が起こると常に炎が放出された状態になる。それを抑えるため、右手には赤色の制御用グローブを装着している(炎が出せない左手にはオープンフィンガーの黒いグローブを着用)。また、グローブを付けていても制御が効かなくなることがある。
「ネスツ」に所属していたが、失われた過去の記憶を取り戻すためマキシマと共に脱走して反旗を翻した。組織が壊滅した後も、記憶は断片的にしか戻っていない。しかし『2000』のエンディングにて、ウィップによく似た少女のことを思い出したが、これは彼の死んだ実の姉(セーラ)で、ウィップは姉のクローン人間であることが嬉野秋彦の小説『The King Of Fighters 2001 -The Gods Themselves』で明らかになった。誕生日は不明であるが、年齢については「16~18歳」という設定になっている。
マキシマとはネスツ在籍時の『'99』からチームを組み、以来ずっと行動をともにしている。他のチームメイトは『'99』では二階堂紅丸と矢吹真吾、『2000』ではヴァネッサとラモン、『2001』ではウィップと麟。『2002』と『2003』はK'・マキシマ・ウィップの3人チームで、『XI』ではウィップが抜けてクーラ・ダイアモンドが入った。チーム名は、『'99』~『2001』までは「主人公チーム」、『2003』からは「K'チーム」である。
コスチュームは登場以来ずっと革の上下スーツで、背中には「A BEAST OF PREY」(直訳:肉食獣)という英文が書かれている。ただし日常生活でもこの恰好であるわけではないようで、エンディングシーンでは私服姿も見せている。
「K'といえばサングラス」が定着しているのか、イメージイラストではサングラスをかけている場面が多い。ちなみに上記の私服姿の際にもサングラスをかけている。戦闘前の登場シーンでサングラスを外して、超必殺技の「チェーンドライブ」を発動する際には前方へ投げ付ける。
作品によって声の感じが大分異なる。『2002』でやたら声のトーンとテンションが高くなったかと思えば、『MI』や『XI』では低い声でドスの効いていたりと、作品ごとに異なり一貫していない。
『KOF MAXIMUM IMPACT』(MI)シリーズのキャッチコピーは、『MI』が「褐色のブレイズ」、『MI2』では「Kを超えるもの」。後者については『'99』のキャッチコピーがそのまま採用されている。
雑誌など各種メディアにおいて、「K'が(草薙京の)クローン」と勘違いされることが多々あるが、実際は京の力を人為的に移植されただけで、元々は普通にこの世に生を受けた人間であり、遺伝的には京とは全くの別人である。
人物
性格は非常に内向的かつ無愛想で人見知りが激しく、嫌いな物に「KOF」を挙げるなど、他人と馴れ合うのを極度に嫌がる。「ウザったい」をはじめとして、口調は粗暴である(ゲーム中ではもっと粗暴な口ぶりで発する)。寡黙であまり多くは喋ろうとしないが、仲間思いな面もある。クーラ曰く「可愛いところ」があるらしく、本当は素直になれないだけという一面が伺える。
好きな食べ物はビーフジャーキー(理由は、酒と一緒に食べると美味いから)。甘い物が嫌いで、マキシマの甘党ぶりにはうんざりしている。
マキシマとはお互い信頼しあう仲で、彼に対しては(不器用ながらも)心を開いている。当初は敵対したクーラのことは悪く思ってはいないようだが、ペロペロキャンディーを向けられたりして迷惑がっている。姉のクローンであるウィップは、彼女の方が外見年齢的には下であるために複雑である様子。『2001』でネスツ壊滅後に仲間になったダイアナには非常に嫌われている。[1]
数々の因縁によって、京のことを多少意識しているようであるが、八神庵とは異なり、激しい敵意や私怨は抱いていない。京自身も同様である。
ゲーム上の特徴
ジャンプ攻撃はどれも攻撃判定が強く設定されているものが多く、接近戦に持ち込んで連続技を決めてダメージを与えるのが基本。前方へすばやく飛び回し蹴りを放つ「ミニッツスパイク」は、奇襲手段のほかに連続技にも組み込める。一時的に姿を消しながら前方へ高速で移動する「ブラックアウト」は、使い方次第で相手を幻惑したり、攻撃をかわす手段として使える。
飛び道具としては「セカンドシュート」があるが、最初に「アイントリガー」を出す必要があるため、とっさに飛び道具を出すということができない。超必殺技の「チェーンドライブ」は、『'99』では発生が遅く使いにくいが、後の作品でそれが改良され、連続技に組み込むことが可能になった。「ヒートドライブ」は、相手の攻撃と相討ちになったとしても、一撃技であるゆえに一定のダメージを与えることが可能な点が長所である。
技の解説
以降での「右手」「左手」は前述のキャラクター設定に準じた形で記述しているが、ゲーム中でのグラフィックは左右反転で処理されているため、左向きの時(2Pで対戦を開始した場合の向き)はこれらが逆になる。
特殊技
- ニーアサルト
- その場を軽く飛び、頭をめがけての飛び膝蹴り。『'99』では通常技の強攻撃キャンセルで出しても連続で繋がらないが、『2000』以降からは繋がるようになった。ここからさらにキャンセルで必殺技に繋ぐことができるが、飛び蹴りである関係上、宙に浮いているので、空中で出せる技(ミニッツスパイク)しか出せない。
- ワンインチ
- 元ネタはブルース・リー[要出典]。片手の拳を伸ばし、僅かな距離を開けてパンチを打ち込む。単体で出すとやや出が遅く、ヒット効果は吹き飛びダウンで、キャンセルも不可。通常技キャンセルで出すと発生が早くなって通常技から連続ヒットし、ヒット効果はのけぞりとなり、ここからさらに必殺技でキャンセルができる。
- スナイパーサイド
- 踏み込みつつハイキックを放つ。初出は『XI』。『XI』ではワンインチよりこちらが連続技に組み込まれることが多い(キャンセル受け付け時間がワンインチより長い)。
通常投げ
- スポットパイル
- 相手の姿勢を瞬時に崩し、延髄に肘を打ち込んでその場に倒す。
- ニーストライク
- 膝蹴りを顎に浴びせ、反対方向に押し倒す。
- スパイクライド
- 下段の蹴りで相手の姿勢を崩し、さらに相手の体を駆け上がって跳び回し蹴りで蹴り倒す。初出は『XI』。
必殺技
- アイントリガー
- 右手を振り上げて、前方に火の輪を発生させる。なお、「アイン」(ein)とは、「1」を意味するドイツ語。
- セカンドシュート
- 「アイントリガー」からの派生技。火の輪を前方へ向けて蹴り飛ばす飛び道具。
- セカンドシェル
- 「アイントリガー」からの派生技。火の輪を大きく蹴り上げる、ヒット時は相手を浮かし、相手の体に食らい判定を残す。
- セカンドスパイク
- 「アイントリガー」からの派生技。火の輪を足に纏わせて、前方に飛び蹴りをする。『2002UM』で追加。
- ブラックアウト
- 一瞬姿が消えるほどの高速移動技。接触判定が無いため、相手をすり抜けることも可能。作品によっては「アイントリガー」からの派生技としても出せる。
- クロウバイツ
- 炎を宿した腕を振り上げながら飛び上がる対空技。弱はその場で小さくジャンプし、強は斜め前に大きくジャンプする。強で出した場合のみ、蹴りの追撃が可能(技名はただ「追加攻撃」となっているが、『MI2』と『MIA』では「エアスパイク」の名称で使用)。
- ミニッツスパイク
- 前方へ勢い良く飛び蹴りを放つ。空中でも出すことが可能。作品によっては「クロウバイツ」の追加攻撃をキャンセルしても出せる。ガードされた際、先端をめり込ませるように当てるとK'本体に隙が生じる。
- ナロウスパイク
- 地上版「ミニッツスパイク」(『2002UM』では強のみ)からの派生技。「ブラックアウト」と同じ動作でスライディング攻撃を行う。元々はストライカー動作で、『2001』から通常の必殺技となった。作品によっては「アイントリガー」からの派生技としても出せる。
- エアトリガー
- 空中で斜め下に炎を蹴り飛ばす飛び道具。作品によっては地上版「ミニッツスパイク」からの派生技としても出せる。また、『MI2』と『MIA』では名称が「エアートリガー」となっている他、強で出すと真横に炎を蹴り飛ばすようになっている(「ミニッツスパイク」から追加(ヒット時限定)で出す事も可能)。初出は『2003』。
超必殺技
- ヒートドライブ
- 炎を燃やした右手を前面にかざし、高速で突進する技。ボタンの長押しでタメが可能。作品によって移動距離や発生速度が違ったり、最大タメでガード不能になったり、すり抜けずに相手の前で止まったりする場合がある。
- チェーンドライブ
- 胸元からサングラスを投げつけ、ヒット後に突進し乱舞を繰り出す技。このサングラスは通常の飛び道具を相殺しつつ飛んでいく。その場合、飛び道具を相殺した直後に、K'本体が相手の目の前に瞬時に移動して乱舞攻撃が発動する。サングラスをガードされた場合は突進もガードされて乱舞が発動せず、サングラスが空振りした場合はK'本体に大きな隙が生じる。『2003』以降のリーダー超必殺技版では乱舞の構成が大幅に変わり、「ヒートドライブ」を止めに決める。
- クリムゾンスターロード
- 相手に向かって歩き、ヒット後はK'が相手の背後に回りこんだ後、相手を爆発させて打ち上げる(原理は不明)。『MI2』では、背後に回りこむと同時に相手をボコボコに殴るカウンター技となっている(こちらの原理は“ヒット・アンド・アウェー”であると考えられる)。
- 『2002』と『NW』ではMAX2でガード不能技、『MI2』では通常の超必殺技で当て身技である(『MI2』では攻撃を受けるまでは暗転しないので使いやすかったが、『MIA』では技を出した瞬間に暗転するようになったため、見切られやすくなっている)。
- 『2002UM』では攻撃が当たるまでは暗転しないほか、緊急回避動作と見分けがつきにくいほど発生が早くなっている。
- 技名の元ネタはOVA『銀河英雄伝説』第107話 深紅の星路(クリムゾン・スターロード)。
- ヘブンズドライブ
- 「クロウバイツ」を2回繰り出し、最後に空中から蹴り落とす技。初出は『2003』。『NBC』では「クロウバイツ」を3度放つ技となっている。
脚注
- ^ 彼女は、クーラがK'と仲よくしているところを快く思っておらず、K'自身もダイアナのことを嫌っている。
関連人物
- マキシマ - 相棒
- ウィップ - ネスツ離反仲間。死亡した実姉(セーラ)のクローン
- クーラ・ダイアモンド - ネスツ離反仲間である妹分、もともとはK'を倒すために作られた改造人間
- 麟 - チームメイト
- ヴァネッサ - 『2000』でのチームメイト
- ラモン - 『2000』でのチームメイト
- 二階堂紅丸 - 『'99』でのチームメイト
- 矢吹真吾 - 『'99』でのチームメイト
- 草薙京 - 炎の力の移植元、ライバル
- クリザリッド - K'のクローン
- ネームレス - K'と京の遺伝子を掛け合わせた実験体
- K9999 - 京の9999人目のクローン、敵対関係
関連項目